ワインの香り1
ワインの香り
昨年9月の小町のご隠居様の投稿でワイン・テイスティング用語の紹介があり、興味深く読みました。勿論ご謙遜とは思いますが、bodyと香りに関して不可解と漏らして居られました。今回はその二点について私のささやかな知識を披露させて頂きます。
先ずbodyとは舌の上でのワインの重さのことで、ワイン中のアルコール分(グリセリンなども)、エキス分(タンニンなど)などによりワインの「こく」が変ります。bodyはあくまで感覚的なもので、辛口・甘口のように物理化学的に数値で表現出来ません。重いほうからfull-bodied -> medium-bodied -> light-bodied と言います。具体的にはボルドー系(カベルネ・ソーヴィニヨン)はfull-bodied、ブルゴーニュ(ピノ・ノワール)やキャンティ(サンジョベーゼ)はmedium-bodiedです。私がbodyをはっきり体験したのは2003年のボジョレ・ヌーボーとイタリヤのボルドー系赤ワインを飲み比べた時でした。ヌーボーは見た目で赤ワインですが、実質的には白ワインでlight-bodied です。
「ワインはどんな香りがするか」と質問すると、十人中九人は「ぶどうの香りがする」と不思議そうに答えます。おかしいことにぶどうの香りのするワインはミュスカとゲヴルツトラミネルの例外品種だけで、ぶどう以外の果物やハーブ・スパイス・花など多種多様な香りがします。ワインの香りは科学的に現在研究途上の分野で、その分類も第一アロマ、第二アロマ、ブーケなどと複雑です。第一アロマは果実香で、果皮の内側に含まれます。果汁に果皮を接触させる赤ワインの香りは果汁のみを発酵させる白ワインより複雑です。この単純な白ワインでも収穫時のぶどうの成熟度合により、色々な果物の香りがします。ぶどうの成熟度合の若い順に柑橘系(tangerine gest flavors) -> りんご -> 洋梨(scents
of ripe pears) -> アンズ( 赤ワインの場合 red currant) -> メロン(melon) -> パッション・フルーツはぶどう完熟時の香りになります。空前の当たり年2003年のドイツ・モーゼルのシャルツホフベルガーを飲んだことが複数回ありますが、確かにパッション・フルーツの香りを感じました。
先般北野武監督が「さんまのまんま」に出演し、100万円以上( 安価なものでも10万円)の DRC (ドメーヌ・ロマネ・コンテ)をがぶがぶ飲んでいるのを見ましたが、真に勿体無い。何故ならワインの価値の半分は香りにあり、開旋後に時間と共にワインの香りが変化するのを楽しまなければ半分は捨てているのに等しい。優秀なソムリエは香りのみでそのワインの80% を判定すると言われています。付け加えますが、私は未だDRC を飲んだことがありません。
これまで3回ワインについてつまらないことを書きましたが、さらにワインを極めたい人はワイン用ぶどう品種を勉強されることをお奨めします。参考書はジャンシス・ロビンソン著「ワインの飲み方、選び方(Masterglass)」(新潮社)が適当です。今回の内容は田崎真也著「ワイン味わいのコツ」(柴田書店)を参考にしました。
小野寺
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